4回目となった「よるしらべ」
今年は真宗興正派声讃会など15名が出演。
メイン曲は「十二礼」。
御懺法講(おせんぼうこう・天皇皇后及び皇族方の年忌法要)で用いる礼拝部分を十二礼と呼んでいます。
現在、御懺法講では、声明に合わせて雅楽管楽器である笙・篳篥・龍笛で旋律をなぞるように奏しますが、興正派では雅楽打楽器である鞨鼓・太鼓・鉦鼓を用いて拍子にのせてリズミカルに唱えます。
和蝋燭の炎に照らされ光り輝く荘厳の中で、美しく和した声明・雅楽の調べを堪能していただけたなら幸いです。
よるしらべ2018春 プログラム
〇楽(平調音取・越殿楽)
〇讃佛伽陀
如来をお迎えする極めて丁寧な心を表わす音曲。声明の特徴である塩梅音を多く用いる。入門の曲であるが難曲中の難曲といわれており、大正十二年以降、実唱することが少なくなっている。
〇昇楽(五常楽急)
〇三敬礼
仏や祖師を讃えて礼拝する音曲。法要儀式における声明を伴った礼は、ご本尊に対する最高の敬礼の表現。常用の曲のため、スグという直線的な旋律を中心に構成しているのが特徴。
〇勧請(敬礼)
法要開始に際し、本尊・諸尊の来迎を請い目的の達成を願う音曲。御文は後白河法皇に呈上した声明集にある。拍子が無い曲だが爽快な感じを出し、旋律の美しさを出すのが特徴。
〇十二礼
唐の善導大師の『往生礼讃』の「中夜讃」に、「龍樹菩薩の願往生礼讃偈」と称して依用されているとおり、龍樹菩薩ご自身が阿弥陀仏の浄土に往生することを願って、阿弥陀仏を礼拝讃嘆された偈頌。
御懺法講(おせんぼうこう、天皇皇后及び皇族方の年忌法要)で用いる「五念門」(一、礼拝 二、讃嘆 三、作願 四、観察 五、回向)という曲の礼拝部分を十二礼と呼んでいる。
現在、御懺法講では、声明に合わせて雅楽管楽器である笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)で旋律をなぞるように奏する。
興正派では明治四十五年以降、雅楽打楽器である鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)を用いて拍子にのせてリズミカルに唱えている。
〇四句念仏
阿弥陀佛・観音・勢至・清浄大海衆菩薩の名号を漢音で唱える音曲。
リズミカルになった雰囲気を念仏でゆったりとした曲調で落ち着かせるのが特徴。
〇下向座文
導師が法要に集る参集の代表者として仏徳讃嘆の法悦を本尊に奉告するとともに、仏の教えがあらゆるものに広がってほしいという願いを明らかにするための音曲。
短い旋律だが法要の意義には欠かせない曲。
〇降楽(越殿楽)
〇回向(自信略)
法要を勤めた功徳が自己以外にも及ぶよう願う内容。
御懺法講で用いる「経段」の旋律を用いられている。ゆったりと滑らかに唱えるユリという旋律が法要の終結を感じさせる曲。
〇退出楽(陪臚)
◆声讃会(しょうさんかい):真宗興正派西讃地区の僧侶で声明・雅楽を研鑚するために結成。
郡家興正寺別院(丸亀市)の法要や、西讃地区の寺院行事を中心に活動している。
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