「よるしらべ2015」今年も開催!
11月3日、昨年好評を博した「よるしらべ」。
夜のお寺、和蝋燭の灯りに照らされ輝く荘厳の中で声明と雅楽のしらべ。
「三十二相」は現代風に言うと管絃楽付き合唱曲、なかなか聞くことはできない天台声明の秘曲です。
今年は舞楽「還城楽」も公演。スポットライトに浮かび上がった舞人の姿に歓声が上がりました。
四国新聞に掲載されるなど、大きな反響を呼んだ「よるしるべ&よるしらべ」、来年も楽しみです。

開演前の荘厳

お勤めする住職

礼拝しながらのお勤め

何といっても今年は舞楽

「還城楽」を舞う

手には蛇を

住職よりご挨拶

今年は舞楽が四国新聞に
配布プログラム
雅楽とは
仏教伝来と時を同じくしてアジア大陸から輸入された音楽や舞と日本古来の歌・舞とを融合したものであり、平安朝に国民性に合うように手を加えられ日本の雅楽として今日に受け継がれている。
平安時代に一世紀以上かけて編纂された雅楽は千数百年以上の歴史を有し、世界最古の形式音楽〔オーケストラ〕として世界に誇れる古典芸術である。
使用される楽器には、日本古来の神楽笛・和琴などのほかに外来の笙・篳篥・笛などの管楽器と、箏・琵琶などの絃楽器と,鞨鼓・太鼓・鉦鼓などの打楽器がある。
声明とは
仏教儀式において仏・菩薩や祖師等へ、音曲をともない礼拝供養する宗教音楽のこと。
七五四年(天平勝宝六年)東大寺大仏開眼法要に声明(しょうみょう)を用いた記録がある。
平安時代初期に最澄・空海がそれぞれ声明を伝えて、天台声明・真言声明の基となり、その後、各宗独自の声明が形成され、現在も継承されている。
プログラム
〇始段唄(しだんばい):如来の微妙(みみょう)の色身〔すがたかたち〕を讃嘆する唄。
「ン如来妙色」の5文字唱えるのに40分近く要する長大な旋律である。
しかるべき師匠からの伝授を受けて初めて唱えることが許される秘曲である。
〇散華(さんげ):偈文は上・中・下の三段からなる。
今回は「願我在道場 香華供養仏」(願わくば私は道場にあって香や花を仏にお供えしようと思います)の上段を唱える。
「唄」が唱え始められてしばらくすると、「唄」を覆い隠すように「散華」が大衆によって唱和される。
〇三十二相(さんじゅうにそう):仏の身体に備わった三十二個の超自然的なすぐれた特性のこと。それを列挙して徳を讃える。
天台声明の根本道場である大原魚山(おおはらぎょざん)において秘曲の第一とされている。
雅楽曲「散吟打毬楽(さんぎんちょうぎゅうらく)」という曲を付楽する、いわば、管弦楽付き合唱曲である。東京国立劇場にて定期的に演じられている。
〇嘆仏文(たんぶつもん):宮中で行われる歴代天皇や皇族の年忌法要である「御懺法講(おせんぼうこう)」。
その中で用いられる声明作法である「声明例時(しょうみょうれいじ)」の中にある「大懺悔(おいさんげ)」という曲を元に、本願寺派第十七世法如上人によって作られた曲である。
〇舞楽 還城楽(げんじょうらく):舞楽とは、舞をともなった雅楽のこと。
「還城楽」という曲名の由来は、「見蛇楽(けんじゃらく)」が転じたもの。
蛇を好んで食べた中国の西方に住む人が蛇を見つけて喜ぶさま、または、ヴェーダ神話の抜頭(ばとう(Pedu))王が退治された悪蛇を見て歓喜勇躍するさまを舞にしたと言われている。
◆和鳴会(わみょうかい)
県内の真宗興正派僧侶を中心に構成する団体。儀式音楽である雅楽の演奏の他、声明の習得に努めている。寺院法要だけでなく福祉施設や小中学校での演奏など幅広く活動している。
◆声讃会(しょうさんかい)
真宗興正派西讃地区の僧侶で声明・雅楽を研鑚するために結成。郡家興正寺別院(丸亀市)の法要や、西讃地区の寺院行事を中心に活動している。
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