よるしらべ2014

声明・雅楽コンサート「よるしらべ」

一心寺が「よるしるべ」の会場となったことから、合わせて開催することにした声明・雅楽コンサート「よるしらべ」。

なんと200人以上の来場で座席が足りないという嬉しい悲鳴、来場者の方にはご不便をお掛けしました。

和蝋燭の炎に照らし出された輝く荘厳。

なかなか耳にする機会がない本格的な声明と、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)、箏(こと)・琵琶(びわ)、鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)という管・絃・打楽器が奏でた雅楽の音色。

「炎に照らし出された荘厳が美しかった」、「全身で声明を浴びた」、「京都での体験よりも素晴らしかった」、「来年も是非開催を」などの声を頂戴し大変嬉しく思っています。

来年も「よるしるべ」と共に「よるしらべ」も開催できればと思っておりますので、またのご来場をお待ちしております。

本堂正面から

住職と内陣

和蝋燭に輝く御本尊と住職

お勤めする住職

右余間から内陣を望む

お勤めする内陣衆

懸命な楽人

魅入る満堂の来場者

配布プログラム

雅楽とは

仏教伝来と時を同じくしてアジア大陸から輸入された音楽や舞と、以前よりの日本古来の歌、舞とを融合したものであり、平安朝に国民性に合うように手を加えられ日本の雅楽として今日に受け継がれている。平安時代に一世紀以上かけて編纂された雅楽は、千数百年以上の歴史を有し、世界最古の形式音楽(オーケストラ)として、世界に誇れる古典芸術である。使用される楽器には,日本古来の神楽笛・和琴などのほかに外来の笙・篳篥・笛などの管楽器と,箏・琵琶などの絃楽器と,鞨鼓・太鼓・鉦鼓・三の鼓などの打楽器がある。

声明とは

古代インドにおいて、バラモン(司祭者階級)が修めるべき五つの学問「五明」の内に声明(音韻学・文法学)があった。それが仏教の出家者にも取り入れられ、仏教東漸に伴って中央アジア、中国を経て日本に伝えられた。その中で次第に音韻学から派生して、仏教儀式において仏・菩薩や祖師等へ、音曲をともない礼拝供養する宗教音楽を意味するようになった。七五四年(天平勝宝六年)東大寺大仏開眼法要に声明を用いた記録がある。平安時代初期に最澄・空海がそれぞれ声明を伝えて、天台声明・真言声明の基となり、その後、各宗独自の声明が形成され、現在も継承されている。

今回披露するのは「如法念仏作法」の一部。浄土教はもちろんのこと、天台宗にも大きな影響を与えた善導大師(613~681)の『法事讃』(仏座の周囲を繞道して浄土を願生する法会の規式を明かした書)を元に、その規式に準じて讃文を妙出するなどして作られたのが「如法念仏作法」です。

プログラム(予定)

盤渉調 越殿楽(越天楽):古代中国の漢王朝五代文帝の作、または劉邦の軍師・張良の作という二つの説が有名。越天楽というと平調の曲が有名で、それに歌詞をつけたのが『越天楽今様』であり、最も有名なのが『黒田節』。今回は盤渉調の越殿楽を演奏。

伽陀(衆罪):サンスクリット「gatha」の音写で「うたう」の意味。法要開始部分で唱える。

広懺悔:善導大師の『往生礼讃』の末尾の文で懺悔文ともいう。後鳥羽上皇が寵愛した女性、松虫と鈴虫が念仏法会に参加し、安楽房遵西住蓮房の礼讃の美声に魅了され出家した。それに上皇が怒り、念仏停止、法然上人・親鸞聖人などを流罪とした原因になったという逸話が残っている。

八句念仏(甲):旋律をつけた「南無阿弥陀仏」を八回唱える。

廻向(願以如法):読経や法要を勤めた功徳が自己以外にも及ぼされることを願う内容で、読経や法要の終結部分で唱える。
盤渉調 千秋楽:七十一代・後三条天皇即位の時に、源頼能という古代の音楽家が作ったと伝えられる。本来は大嘗祭の時だけに演奏されるものであったが、後には舞楽会などの最後には必ずこの曲の演奏がされるようになったことから、相撲や歌舞伎の最終日を「千秋楽」と呼ぶようになったと言われている。

声讃会とは:平成21年に真宗興正派西讃教区で声明・雅楽を研鑚するために結成された。郡家興正寺別院(丸亀市)の法要や、西讃地区の寺院法要などで演奏している。

和鳴会とは:県内の浄土真宗僧侶有志が約30年前より集い、正式に会を結成して20年、現在会員35名。寺院法要だけでなく各種イベントで声明・雅楽を披露するなど精力的に活動している。

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