今年は穏やかなお正月でした。
一心寺では、大晦日は除夜会。参道を竹燭台でライトアップして鐘撞き。
年を越して修正会(元旦会)で「正信偈」をあげました。
みなさんは初詣に出かけられましたか?
今年の初詣のランキング
1位、明治神宮。
2位、成田山新勝寺。3位、川崎大師平間寺。4位、浅草寺。5位、鶴岡八幡宮。
これを見て少し不思議に思いませんか?
神社と寺院の両方がランクイン。
本来、神道と仏教は違う教えですが、初詣は両方に大勢の方がお参りします。
また、日本で一番信者が多い伝統仏教教団と言われる浄土真宗のお寺は20位以内にすら入っていません。
初詣で何をしているの?
一般には、初詣は何か願いごとをするようです。
あるアンケートによると、1位、健康・家内安全。2位、学問・仕事。3位、恋愛・結婚。
すべて、自分中心の願い事です。
仏教は本来、自らの望みを叶えてもらう教えではないのですが。
おみくじを引きましたか?
また、初詣にはおみくじがつきもの。
このような占いに一喜一憂する人もいます。
西の方角が悪いと言われたので、目的地の西に真っ直ぐに向かわず、わざわざ遠回りして行くという人がいるそうです。
教訓程度ならよいですが、ここまでくると占いに翻弄されてしまっています。
「悲しいことに今日の人々は、日時の善悪を選んだり、天地の神をうやまって占いや祈祷をしている」(親鸞聖人 『正像末和讃』)
浄土真宗のお寺には、おみくじも御守りもありません。
しかし、神さまを軽んじているわけではありません。
浄土真宗にとって神さまって?
「天の神、地の神はすべて善い神である。これらの神はみな、念仏を称える人を加護してくださる」(親鸞聖人 『現世利益和讃』)
欲を叶えてくださる存在としてではなく
念仏を称えて、まことの道を歩むものを護ってくださる存在として敬うのです。
「わたしどもはあらゆる煩悩をそなえた凡夫であり、
この世は燃えさかる家のようにたちまちに移り変る世界であって、
すべてはむなしくいつわりで、真実といえるものは何一つない。
その中にあって、ただ念仏だけが真実なのである」(親鸞聖人『歎異抄』)
浄土真宗の初詣
初詣は日本の風物詩。
私も自坊で修正会を勤めたのちに、他のお寺にも初詣しました。
「昨年一年の感謝をしつつ、今年も仏さまの願いを聞いて生きていきます。南無阿弥陀仏」
と手を合わせるのが浄土真宗の初詣でしょう。
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