声明、雅楽、舞楽を楽しもう!
「よるしらべ」は声明、雅楽、舞楽で構成される仏教音楽ライブ。
「よるしらべ」を楽しむ前にその基礎講座。
声明は仏教儀式における宗教音楽
声明は、仏・菩薩を礼拝する時に、経文などに節を付けて唱えるもの。
平安時代初期に伝教大師最澄 (766~822)・弘法大師空海(774~835)が伝えてそれぞれ天台・真言の声明の基となりました。
その後、各宗独自の声明が形成され、現在に継承されています。
ドレミは十二律
1オクターブの中に配される12の音を十二律と言います。
一律はおよそ洋楽の半音。
一越(いちこつ)・断金(たんぎん)・平調(ひょうじょう)・勝絶(しょうぜつ)・下無(しもむ)・双調(そうじょう)・鳬鐘(ふしょう)・黄鐘(おうしき)・鸞鏡(らんけい)・盤渉(ばんしき)・神仙(しんせん)・上無(かみむ)。
恥ずかしながら、なぜこう名付けられているのかは知りません。
面白いのは、声明律と洋楽は音程が同じではないこと。
黄鐘は洋楽のA(ラ)に相当しますが、Aが440Hzに対して、黄鐘は430Hz。
その違いが日本独特の音色を生み出すのかもしれません。
五音・調子・曲・拍子の種類
五音、宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・微(ち)・羽(う)によって音階が定められます。
宮から商は十二律でいうところの2律上、などと決まっています。
そして調子。五音の基準音である宮音が十二律のどの絶対音に配されて音階が構成されるかによって調子が定まります。
曲には、呂曲(まるみを帯び、おだやかでおとなしい)・律曲(鮮明で、はなばなしい)・中曲(ゆったりして、はれやか)の三種。
また、一定の拍子がある定曲、拍子がない序曲、そのミックスである俱曲、破曲という区別もあります。
旋律はこんな形で
あとは旋律型、唱える字の横にある印を見て唱え方を判断します。
赤字は先ほどの五音、青字が旋律です。
「入道場」という字に、ス、三折、ユリ2二、キル、ユリ1、当リ、イロ、オルという印。
にょろにょろでなんだか分かりませんよね。
五線譜にするとこんな感じ。
旋律型の種類は約40。それが組み合わさって一つの曲を作ります。
雅楽とは大陸文化と日本古来の融合音楽
続いて雅楽。仏教伝来と時を同じくしてアジア大陸から輸入された音楽や舞。
それが日本古来の歌・舞と融合して生まれました。
平安朝に国民性に合うように手を加えられ日本の雅楽として今日に受け継がれています。
世界最古の形式音楽〔オーケストラ〕と言われています。
雅楽の楽器を見てみよう
まずは龍笛(上)・篳篥(中)・笙(下)などの管楽器。
箏(上)・琵琶(下)などの絃楽器。
鞨鼓(左)・太鼓(中)・鉦鼓(右)などの打楽器。
舞楽のいろいろ
今回も雅楽に合わせた舞、舞楽があります。
演目の多くは中国や朝鮮半島を舞台とした物語。
「蘭陵王(らんりょうおう)」は中国の王、陵王が主人公の物語。
「迦陵頻(かりょうびん)」は浄土に居るとされる鳥の舞。
「還城楽(げんじょうらく)」は蛇を好む人々が見つけて喜ぶ舞。
「萬歳楽」は中国の明君を讃える鳳凰の舞。
今回の「抜頭」は
様々な衣装や面があって面白いでしょう。
声明と雅楽の調べは10月22日、オール・デイ声明は11月3~4日
難しい知識は覚えなくても大丈夫。
さぁ、一緒に楽しみましょう。
詳しくはこちら。
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