お寺の掲示板大賞って?
多くのメディアに取り上げられた「輝け!お寺の掲示板大賞2018」。
主催の仏教伝道協会は、よくホテルで目にする『仏教聖典』を無料配布するなどして、仏教が持つ東洋の叡智を一人でも多くの人へ伝えるために広く世界で活動を行っています。
最も注目されたのは「お前も死ぬぞ」(釈尊)という掲示。
仏教ではこのように説くのは当たり前なのですが、なかなか面と向かって言うことができません。
それをストレートに表わしたこの言葉。強烈な印象を与えました。
笑い飯哲夫賞 受賞!
当山の2018年10月の掲示「君たちがいて僕がいる」が「笑い飯哲夫賞」を受賞しました。
この言葉はご存知、吉本新喜劇・チャーリー浜さんのギャグです。
審査員の一人、笑い飯哲夫さんは2010年M1グランプリで優勝した漫才師。
仏教に造詣が深く、本も出版されており、昨年は本山興正寺で講演もされました。
哲夫さんの講評は「子供の頃から好きなギャグでしたがよくみると深い。一人で生きているんじゃないという、慈悲を感じる言葉ですね」。
「君たちがいて僕がいる」は仏教の言葉?
受賞を前に何件か取材を受けました。
この言葉を掲示した理由を問われ、
「仏教は縁起を説きます。すべてのものは様々な縁によって成り立っています。
ただそれ一つで独立して存在するものは何一つとしてありません。
「君たち」とは人間、動物のみならず、もの、僕たちが気付かないはたらきも含めていると見ます。
君たちがいての「僕」、僕は君たちで成り立っている。
それは安らぎにも、平和にも繋がるのではないでしょうか」とお答えしました。
明石家さんまさんの「生きてるだけで丸儲け」
昨年は他にも、明石家さんまさんの「生きてるだけで丸儲け」も掲示しました。
子供の頃はただ笑って聞いていましたが、最近、この言葉がさんまさんの深い人生経験から出ていることを知りました。
さんまさんはプライベートなことはあまり話さないのですが、継母に育てられたのだそうです。
まったく愛情を注いではくれず、可愛がるのは実の息子の弟ばかり。それでも弟のことをとても可愛がったそうです。
継母にも自分のことも見てほしいと一生懸命面白いことをしたそうです。もちろん、学校でもみんなを笑わせていました。
その愛する弟が十九才で、火事で焼死してしまいました。その時も、自分が焼死していたら新聞の見出しは「さんま丸焼けやな」と周りを笑わせたそうです。
そして、皆さんの記憶にも残っているであろう日航ジャンボ機墜落事故。坂本九さんなど五二〇人が亡くなられました。
実は、さんまさんは東京でのテレビ収録と大阪でのラジオ番組との往復にこの便をよく使っており、この日も搭乗予定だったそうです。
この日は収録が早く終わったために一便早いものに変更し、偶然にも墜落した飛行に乗ることなく命を長らえました。
さんまさんがこのようないのちを巡る体験をいくつもされたことを知ると、「生きてるだけで丸儲け」が以前とは違って聞こえてきます。
これは仏法の言葉ではないか。
私たちは自分の力では生まれることも、生きることもできません。
私以外の力によって生まれさせていただいた、生かさせていただいているというのが本当のところ。
だから、生きてることは丸儲け。
しかし、儲けものだから後は何をしてもよいのだということにはならないでしょう。
生きてるだけで丸儲けなのだから、いただいたものにただ感謝するしかない。
私ではないもののはたらきに感謝して人生を生きていこうという言葉なのではないでしょうか。
B’z稲葉浩志さんの「すべては何かのイチブってことに僕らは気づかない」も
また、Bz・稲葉浩志さんの「すべては何かのイチブってことに僕らは気づかない」(『ミエナイチカラ』より)も取り上げました。
これも仏教の教えに通じています。
お釈迦さま、親鸞さん、高名なお坊さんの言葉以外にも素晴らしいことばがたくさんあります。
このような有名人の言葉からも仏の心を感じ取っていただければ有難いことです。
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